Twitterを授業で使う場合のハラスメント事案にどう対応するか?

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某所で起きた学生によるセクハラツイート事件についての記事(事件の本質を論じる上で不要な固有名詞は伏せた).

https://www.misho-web.com/diary/201205.html#Diary02

上記記事からの事件部分の引用.

X月X日(X)のXX時ごろから行われた,XX大学XX学部の講義中に,参加していた学生が当該講義の非公式 hash tag #XXXX を付けた状態で「今の子,胸がでかい」という趣旨の,sexual harassment と考えられる tweet (account 閉鎖済み)を行った。なお,hash tag から明らかな通り,当該講義は『XXXX』であり,担当教員はXXXXのXXXX准教授 (Twitter: XXXX)である。

それを発見した担当教員が,直後に当該 account に対し,public tweet で「イエローカード」という reply を飛ばした。その後,当該学生が,匿名性を盾に(実際の特定は困難だろうと考えて)当該教員に対して当該 tweet には教員の管理権が及ばない,などの主張をしていた。揶揄された女子学生は,これに気づいたのか,X月X日の午前中に「めんどくさそうなことになりそうだ」という趣旨の tweet をしている。

さて.今回のようなハラスメント事案において,被害者への配慮を考えるならば,教員として真っ先に取るべき対応は,当該tweetを削除するように発言者に促すことだと考えます.tweetが残ったままではハラスメントが続いている状態だからです.たとえ被害者がハラスメントと感じていなかったとしても,(公式/非公式に関わらず)授業科目名のハッシュタグを含むtweetにハラスメントがあるならば,見過ごすわけにはいきません.

その方法として,大学公式の経路を使うか,教員の裁量で直接注意するかは,ハラスメントの内容や程度の問題だと思いますが,今回のケースではスピードを重視して,教員が直接学生に注意するのは妥当だと考えます.

直接注意する場合に,当該アカウントの利用者を把握できている場合は口頭で行えば良いですが,そうでない場合,Twitter上でしかコンタクトを取れないということもありうるでしょう.もし相互フォロー状態にあればDMを送ることで無用な拡散を防げますが,そうでなければ,replyという形になるのはやむを得ないのではないでしょうか.

上に挙げた記事の文中では,この点を第一の失敗として挙げています.しかし,リプライで注意したところで,教員と発言者の両方をフォローしているフォロワーのTLにしか現れません.ハッシュタグをつけて発言されているtweetが放置されている状況下において,ハッシュタグを追っている受講生は既に当該ツイートを見ていると考えられます.従って,受講生に対する無用な拡散の影響はさほどないと考えられ,それよりも注意のスピードを優先するのは納得できるところかと思います.

で,「イエローカード」の意味を理解できる学生であれば,注意を受けた段階で削除するなどの対応をとり,事態はここで収束できたかと思います.(もちろん,被害者へのフォローは必要な場合があるでしょう)

残念ながら,今回の発言者は教員からの注意を軽んじ(?),無用な開き直りをみせたようですが,もし,「先ほどの発言はハラスメントに当たるので削除すべき.削除しないならば大学に報告する」というような内容で注意を与えていれば,事態は変わったかもしれませんね.大学院レベルの授業に出ている学生に対し,そこまでの説明が必要というのは残念なことですが.